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Concept

音楽はなぜ存在するのだろう?

 

音楽に触れることは、私たちの心を豊かにし、時には苦しみに寄り添い、支えになってくれます。

 

音を奏でることは、自身の喜びとなるだけでなく、音を通して他者との言葉よりずっと深いコミュニケーションを生んでくれます。

 

また、必ずしも人と人だけでなく、人と自然界、亡くなられた方や魂など、目に見えない存在とのコミュニケーション手段にもなってくれます。

 

そう思うと、音楽の存在する意味は、様々なものをつなぐ、”結び目”となるためなのではないでしょうか?

 

太古から人間は、音楽の役割をそのように捉え、人間の営みと共に長い年月継承してきました。しかし、現代社会では、そういった音楽の大事な役割が失われつつあるように感じます。

 

私は、そのような音楽の大切な役割を、今の社会に活かせる方法を探し、作曲活動をしています。

 

そのために、以下の方法に取り組んでいます。

 

 

1. 楽譜のない、生きた音楽を作る

 

近年、音楽は西洋音楽が世界の中心となり、”楽譜”をもとに演奏するというのが一般的になっています。しかし、もともと音楽は、”口伝”と言って、耳で覚えて演奏し、人から人へと伝わってきたものです。その結果、音楽は伝言ゲームのようにだんだんと形を変え、時代を経て生きて伝わってきました。私はそのような”生きた音楽”を生み出したいと考え、”楽譜を使わない音楽”に取り組んでいます。

 

楽譜がないとは言っても、即興演奏とは違います。

楽譜の代わりにとてもシンプルなルールを作ります。そのルールは例えば子供の遊びやサッカーのルールのように、理解すれば誰でも参加できるものです。

 

2. 自然の摂理に沿った有機的な音楽

 

またそのルールは、人間の呼吸のリズムや自分の出しやすい高さなど、身体に寄り添った有機的なものです。あなたも私も、同じように「吸う」と「吐く」のリズムを繰り返していますが、そのタイミングも長さも皆違います。その違いをそのまま、音の長さやテンポに生かしていくと、いわば草木のように、生きて変化していくような音楽を生み出すことができるのです。

 

3. 誰でも参加できる”コミュニケーション音楽”

 

一般的に音楽は「楽譜が読める」とか、「楽器が弾ける」といった素養がないと演奏できないと思われがちですが、私のアプローチは、その人の自然な声や身体に沿ったリズムを活かすので、誰でも”そのままの自分”で参加できます。また、楽譜がないと、互いによく音を聴き合って、息を合わせ、どう進むのかを感じ合わなければ演奏できません。結果、演奏を通しての深いコミュニケーションの時間が生まれます。私はこのコミュニケーションの時間を作ることこそ、音楽の存在する意味だと思うのです。

 

4. 声の多様性を活かす

 

呼吸と密接で、人間の身体に深く繋がりを持った楽器が、人間の”声”です。声は人それぞれ皆違った響きを持ち、「歌う」や「喋る」だけでなく、私たちが想像する以上に多様な響きを、比較的簡単に生み出すことができる表現です。また、身体一つでどこでも音楽を生み出すことができるのも強みです。この声の多様性を活かした表現に特に着目しています。

 

5. 空間を活かし、五感全てで感じる音楽

 

私の音楽は、”音”だけが表現手段ではありません。”空間”も表現の大事な要素です。時には、観客を囲むように演奏したり、演奏しながら空間を動き回ったり、いわば”人力によるサラウンド音楽”を生み出します。また、ダンスなどの身体表現や、照明や衣装などの演出も含まれ、様々な表現が融合したような領域横断的なものです。

音を聴覚からだけでなく、五感全部を通して体感するような表現なのです。そのような音楽、空間、身体がシームレスに繋がりを持ったユニークな表現は一見新しいようで、実は表現のジャンル分けなどなかった太古の時代と近い、最も原始的な表現とも言えるのです。

 

 

以上のようなコンセプトを実践しながら、音楽が本来持つ、他者や社会とつながる”結び目=メディア”となる役割を取り戻すことを目指し、活動しています。

 

より詳細な内容は、以下のリンクも合わせてご覧ください。

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